おかかとこんぶ

新潟にいる人。映画と本と家ごはんが好き。

2019年良かった映画

2019年ももう終わり。東京へ帰省するバスの中です。今年は、今のところあまり新潟らしくない冬で、晴天が多かった。今日も、飛び切りの青空です。

今年も、本当にいろんなことがあったけれど、去年はまだ出会ってなかった人や作品の中で、今年出会えてよかったと思える人や作品があったら、それだけで良い年といっていいような気がしています。

というわけで…今年も、良かった映画ベスト10を書きます!去年も年末にこちらのブログを書きまして、それが私の中で良い整理になったり、人に紹介するツールになったりしてとても良かったので。

okaka-to-konbu88.hatenablog.com

 

去年が実は、私の中での映画元年といえるほど、映画の存在が大きくなった年でした。そのおかげで、今年も結構たくさん映画を見てました。

使っているアプリ、filmarksを見返すと、36本ほど。来年は、ネットフリックスかアマゾンプライムを契約することも考えていますが、基本、TSUTAYAか劇場派な私。

テレビがないので、ドラマは「凪のお暇」と「時効警察、はじめました」しか見ていなく、映画が良い栄養剤でした。

 

さて、それではまず、ベスト5から!!

 

1.町田くんの世界(2019)

2.インスタント沼(2009)

3.0.5ミリ(2014)

4.wild tour(2018)

5.食べる女(2018)

 

順位はなんとなくです。2~4は同列かな~

ひとつずつ一言コメント。

町田くんの世界」は原作の漫画が好きな友達が2人いたので、なんとなく知ってましたが、なぜかその時の私のテーマにぴったりはまってしまい、全然重くないシーンばかりなのに一人号泣。不器用だけどみんなに優しい町田くんが、恋をしたりまわりのみんなをちょっとだけ変えていく物語。「みんなが大切」と「あなたが大切」はきっと両立するというメッセージをもらった気がしました。この時、エーリッヒフロムの「愛するということ」を読んでいたので、「愛はあたえるもの」という部分で被ったのかも。

 

インスタント沼」は、1月に見て、その後三木聡にしばらくハマってました。コメディにはまったことはあまりなかったのですが、これは本当に最高。ぬふふふって感じのシュールな笑いだけど、どこかで大切なことを教えてくれている気がする。こういうささいなことから笑いを生み出して生きるすべがあれば、ずっと笑っていられるもんね。感動させるより笑わせる方がきっと難しいから、すごい。

最後のセリフが大好きなので、貼っておきます。

いい?世の中の出来事の、ほとんどはたいした事無いし、人間、泣いてる時間より笑ってる時間の方が圧倒的に長いし、

信じられない物も見えるし、一晩寝れば、大抵の事は忘れられるのよ。とにかく、水道の蛇口をひねれ。

そして、その嘘と意地と見栄で塗り固められたしょうもない日常を洗い流すのだー!

 

 

 

0.5ミリ」は衝撃作。現代社会が見落としていることを表現してくれた感じ。安藤サクラの演技がものすごいし、しばらくなんだか呆然としてしまった。最後のシーンで寺尾早穂の歌がよかった。

 

「wild tour」も衝撃って意味でのランクインですね。完全素人の中高生に出演してもらっているという…自分も映画をつくりたい、という気持ちになりました。あの、中学生の素の表情に胸がきゅんとする。4月のしましま本店というイベントで出会った映画雑誌を作る仕事をしている男の子に教えてもらった映画。

 

食べる女」は、とても見やすい(かわいい女優が多いのでそれも含めて笑)映画でした。女の子が何かを食べてる表情が素敵だし、古い家に1人で住んでいる小泉今日子がいろんな女の子を招き入れてごはんつくってあげるのも、リアルにそういうの良いなと思った。恋愛観や家族観も多様で現代的で、共感できました。

 

続いて、残りの五作。ベスト5には邦画しかありませんでしたが、ちょっとだけ洋画も入りました。

 

6.Before SUNRISE(1995)

7.愛がなんだ(2018)

8.人のセックスを笑うな(2007)

9.ギフテッド(2017)

10.ある船頭の話(2019)

 

「ビフォアサンライズ」を見たのは11月でしたが、そこからちょっとだけ洋画にハマってます。男女が電車で出会って、一日だけウィーンの街を歩いて過ごす、それだけの映画なのになぜかすごく心に入ってきました。

私の映画で好きな部分が「展開」というより「セリフや表情」だということが分かったし、人の距離が近づく理由も、「タイミングと言葉」なのかもしれないと思いました。英語ならではの行間もあるなあと。リズムがいい。

三部作となっていて続きがあるので、それを楽しみに。

 

「愛がなんだ」はちょっとした話題作。角田光代の原作小説を読んだときには、「むむ、面白いけどつらいなあ、登場人物に共感はできないかも」と思ったけれど、実際に映画を見たら思ったよりも消耗しない感じのいい映画でした。

次に書いた「人のセックスを笑うな」の方が、ある意味せつなさの固まりかも。なんというか、繊細で脆い、初めての恋を素晴らしくマイペースなリズムで描いてるのが「人セク」で、全部の登場人物が超人間らしくて、意外に泥臭くて強いのが、「愛がなんだ」。好きになったり、振り回されたり、愛がなんなのかわからなくなっても、この人たちは結構生きていけそうな気がした。

両作品とも、俳優陣がめちゃくちゃはまり役で良い表情してくれてるので、おすすめ。

 

「ギフテッド」は、家族もので、とにかく泣きました。笑 教育ってなんだというのも考えた。近所のおばちゃんがすごく良い感じ。最後のシーンが本当に泣ける。泣ける映画というのは、涙を無条件に出してくれるので、とっても貴重です。たまにはみんな泣いた方がいいと思うなー

 

「ある船頭の話」は、12月に仕事をやすんで高田世界館に見に行った映画。まだ若干整理しきれてませんが、この時期この場所で見ておいてよかった、と後から思う気がしています。オダギリジョーが初監督で、新潟の阿賀町で撮影をしたもの。

物語としては、華はあまりなく少し暗い印象ですが、とにかく川や山の映し方が美しいのと、人間の弱さや孤独、日常について思いを馳せるきっかけになる映画。どきっとしたりざわっとしたりするようなシーンもありました。船頭という今まであまりスポットが当たらなかったであろう仕事にスポットをあてたオダギリジョーの、表現したい美しさってなんだろう…とかちょっと考えすぎてしまったかも。

 

長くなりましたが、以上が私の2019年良かった映画ベスト10でした!映画評論家でもなんでもないので、客観的な評価はかけらもしていません。そもそも作品に客観的な良い悪いなどなくて、なんならその時たまたま私の状態とマッチしただけなのだろうと思っています。

去年の私の映画を通して考えたテーマが「家族」だとしたら、今年は「愛」だったのかも、とラインナップを眺めて思いました。

今年こそこれの「本」バージョンをやるぞと思いながら、果たしてどうなるかな…笑

とりあえず、皆様良いお年を。

そろそろ東京に着きそうです。

 

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高田世界館はほんと、新潟が誇るべき場所。この日もよく晴れてたな