おかかとこんぶ

新潟にいる人。映画と本と家ごはんが好き。

向き合いすぎない

「梅」と「雨」をしっかり味わった6月だった。

去年のインターン先でもあった集落の畑で梅の管理を始めた今年。しっとりと深い緑色をした木々の中で、何度も梅をもいだ。

剪定をしていないこともあり、梅の実の数がすごい。とってもとっても取りきれず、何人もの人におすそ分けをした。

その合間に、夏休みのインターンの募集・半年プロジェクトのサポート・9月以降のトビラプロジェクトの準備…などなどやっていたら、6月はリアルに1日休みだったのは4日間?くらいだった。。その4日間もいろいろ詰め込んでしまったので、反省。

良い時間や出会いや気づきもたくさんなのだけど、振り返れていないなー。

 

そんな時の、定例「コメタク合宿」があった。定例とはいえ、今回はさくらちゃんが宮崎に帰省していたのもあり、たぶん10カ月ぶり?くらい。

「コメタク合宿」といってももはや最近はコメタクの活動には関係ないことばかり話している。私にとって、いつもと違う場所で、頭の中を整理したり立ち戻るべきところへ立ち戻る、みたいな時間だ。

大好きなさくらちゃんとコメタクのデザイナー、めいさんとじっくり話せる機会でもある。

 

まずは出雲崎で梅もぎをした(いきなり笑)。1時間で20キロほど。集落の人たちにも会ってもらい、おひるごはんももらった。

その後、宿泊先がある津南へ。途中、十日町のリオンドール内の喫茶店でふりかえりグラフを書いた。

津南では、モリクラフトへ寄り道。雨の森の中にたたずむ、落ち着いた色のログハウスに、入るとぷんと香るコーヒーの匂いに癒される。ここではさっき書いたふりかえりの共有をした。

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津南の目的地は、いつもお世話になっている諸岡江美子さんの柳の家。手仕事ワークショップなどのイベントや、宿泊業をやっている古民家だ。

classic-lab.comさくらちゃんとめいさんを連れて来たかったので、念願の想いが叶って嬉しい。

江美子さんてづくりの、宿泊者限定のノートに感動。私もこういうことしたい~

わいわい夕食を食べ、なんともいえない空間の心地良さに任せて、それぞれの時間を過ごした。なんだろう、いつものように「なんか話すか」とならなかった夜。

外にはカエルの声と雨音が響いていた。

 

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次の日の午前は、十日町の美術館「キナーレ」内のカフェにておしゃべり。その時間がすごくよかった。

 

向き合う、に少しだけ違和感がある。

良い行動のように聞こえる、その言葉に。

自分に、向き合う。

友達の悩みに、向き合う。

大事にしたいことに、考えなければならないことに、向き合う。

なにかを解決するためには、そのことに正面から向き合わなくてはいけない?本当にそうだろうか。

「向き合わない」と言うと、「逃げる」なのではないかと思われる。

でもきっとそうじゃない。

 

「向き合う」ということは、「すぐに答えを出そうとする」ことでもある。

「向き合う」ことそのものがしんどいときもある。

人が「決められない」「進めない」ときに、正面からコトの中心に向かってボールを投げるのは、何かを突破するかもしれないけれど、何かを失うことにもなるかもしれない。

 

そういうときに私がしたい関わり方は、

正面じゃなくて隣に座り

「なにが?どうして?」と聞くのではなく美味しいお茶を出し

一緒に眺めて待つことだなあと。

自分の身にも重要そうだぞ、ということがあっても、急いでそれには向き合わくてもいい。今心地良いと思う時間を過ごせばいい。

それは、向き合わずに逃げているように見えて、むしろ気がつかないうちに案外するっとクリアして進んでしまうコツかもしれない。

 

重そうなことからは少し気をそらして進んでいくくらいが、人生にはちょうどいい。

 

大学生に、大学時代に経験してほしいこと、みたいな話を授業などでも話す機会が増えてきたけれど、それも、「今するべき!!」と言い過ぎない。だってそれもあくまで私が一方的にそう思ってるだけだし、今しかないなんてこと、世の中には意外とないと思う。

 

エーリッヒフロムと町田君の世界に影響されて、最近はずっと「愛」について考えているけれども、

私は「お茶を出すような軽やかな愛」をみんなに渡したいのだと思う。

 

コメタク合宿を振り返ってみても、良い感じに「向き合いすぎない」旅でした。

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