おかかとこんぶ

社会人も長岡生活も1年生。変化し続ける私をとりあえずはことばで残す。そのうちにはことば以外でも残したい。

ヒラクさんの話

ちょっと前に、小倉ヒラクさんの出版記念イベントに行ってきました。

予定的には少しきつかったけれど、しばらく誰かのトークを聞くようなインプットもしていなかったので、えいやと。

場所は、燕市にあるツバメコーヒー。

 

少し遅れて入った会場は、後ろの席まで満杯。

知り合いと目が合って、席を指さしてくれました。

そこから、トークは約2時間。質疑応答も含めて、めちゃめちゃいい話が聞けました。

 

出版記念となった本は

Amazon CAPTCHAこちら。「発酵文化人類学」。

小倉ヒラクさんは、発酵デザイナーとしていろいろな地域や発酵関係で活動している、私も存在を知ってからもう4年くらいたってる気がする人です。

学生時代、よく農家さんのお手伝いに行っていた山梨の北杜市では、ヒラクさんプロデュースの「てまえみその歌」を全小学校で歌っていたし。

お邪魔していた農家さんの子供たちの部屋にもてまえみその歌の絵本が置いてありました。

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そんな感じでまあ、「発酵」のイメージがあるヒラクさんですが、今日の話で響いたのは、「発酵」以外の話。というか、発酵を通して発酵以外にも重なる話。

(もちろん発酵の話もとても面白かったですが)

 

響いた言葉を書いていたら、無地のメモは真っ黒になりましたが、その中で3つのことを、自分なりの言葉でまとめてここに残しておきたいと思います。

 

 

ひとつめが、作り手が責任を負いすぎてる話。

フランスである質の良いワインが高い値段で売れるのは、価値を感じてしっかり伝える「売り手」がいるからなのだそう。

そうそうそう。これは藤本さんの「魔法をかける編集」でも言っている話で。

「生産者」の価値をその人の視点で切り取って誰かに伝える「編集者」の存在がこれからはきっとすごく大事。

私が思うその理由は、その方が個の考えや感じ方を出せるということと、だから編集のやり方は無限にあるということと、生産者と受け取り手の間のコミュニケーションの可能性も無限に広がることかな。

あと、「編集する」という行為がもっと評価されることで救われる人がすごくいる気がしている。

六次産業化を推奨されるけど、それって本当に作り手の仕事がどんどん増えていくだけで、場合によってはとても辛い。

あとは、「作れなくても」自分なりに価値を感じて、伝えたい!という思いを持った人がこれでいいんだと思えるし。

 

2つ目は、面白いものはやりながら気づくという話。

そうそうそうs。最初から面白いかどうかはっきりわかってるものなんてそうそうない。

たしかこれは、県に勤めてる人が、公務員にできることは?みたいな質問をしたときの答えだったな。

自由度高く使えるお金を増やすことです。そう言い切っていたヒラクさん。

今までの地方の取り組みも、「面白いことができた」という取り組みには、それを「私がこのお金の裏とりはなんとかします」と言える思いのある担当の職員がいたそう。それが、ひとつ上を突破できるかどうかでもあるそう。

それで、最初から「これはこうなるはずだから価値がある」と言い切れることが大事なんじゃないのだと。

やりながら、あこれ面白い、と気づいていく。

いやほんと、予想できないものの方が圧倒的に面白いと思ってしまうから、これにはめっちゃ頷いた。

 

そして三つ目は、「様々な伝統や昔ながらの知恵や文化があるけれど、今のライフスタイルにそれらを引き継ぐことが自然にできないなら、それらは必要ない、」という話。

「結局、今がいちばん大事」という一言がずしんと来ました。

そうそうそうそうそう。そっか。そうだよなー。

たしかに、理由なしに「伝統文化は大事」という優等生的な常識が深く根を張っているけれど、「伝統文化を守る活動」はそれだけで素晴らしいと思ってしまうけれど。

「今の私たち」がそれによって救われたり、それによって豊かになったりするものでないならば、必要ないのかもしれません。

もしくは、形を変えて引き継ぐべきものなのかもしれません。

きっと昔からそうやって変化してきたんだとしたら、今これから起きようとしている変化だってきっと自然な変化です。

「そのまま残す」「引き継ぐ」ことが苦でしかないのなら、「終わる」こともまた進化なのかもしれないと。

だから、そういう文化や何かが素晴らしいと評価するときには、「現代の誰か」にとっての意味を言語化しなさいと言ってました。それが言えないなら無理に継承する必要はないのだと。

 

結局、私が言語化できなかったり誰かに「こう思う」って言うには自信がなかったことをヒラクさんが代弁してくれたような感じだったなー。

でも、トークイベントのいいところってそこですよね。言語化されて整理されて、肯定される。

いや、最高でしたー。

 

(実はこの日本を買ってまだ読んでない。笑 トークで満足してしまった)