おかかとこんぶ

新潟にいる人。映画と本と家ごはんが好き。

2020年よかった映画(とドラマ)

2020年もあと1日で終わり。2018年から始めている、今年よかった映画ベスト10を今年も書いていこうと思います。

普段のブログは、今年noteを始めたので比較的そっちに書いていましたが、映画の話はなんとなくこっちに書こうかな。

本当にものすごい1年でした。いいとか悪いとか一言では言えない、社会も個人も揺さぶられた大きな1年だったと思います。

その中でも変わらず人の心をささえたのは、「作品」でした。「身体だけでなく心の栄養も補給しなければ生きられない」という言葉を読んだのはたしか、若松英輔さんの「弱さのちから」という本の中だったかな。まさにその通りで、今年は作品がなければ心が生きていけなかったと思います。リアルのイベントがなかったからこそ、映画には救われました。(生演奏や演劇を見る機会が減ったのは悲しいことでしたが)

 

今年からAmazon primeで映画を見るようになりました。便利ではあるけど、1つ1つの映画へののめりこみ具合、世界への入りぐあいが映画館やDVDより劣る気がしてしまいました…部屋を暗くしてプロジェクターで見るとまあまあいいんですけどね…

そういうのは言い訳かもしれないですが、全体として去年ほどはハマらなかったかな、という印象です。でも素晴らしい作品たくさんでした!

 

それではいきましょう。まずはベスト5!

 

1.プリズンサークル(2019)

2.はちどり(2018)

3.音楽(2019)

4.インターステラー(2014)

5.ワンダー君は太陽(2017)

1~3はどれも小さい映画館で見たもの。新潟市のシネ・ウィンドと上越市の高田世界館では本当にいつも良い映画が放映されています。もっと見たかったな~

 

「プリズンサークル」はドキュメンタリーで、島根の官民協働の新しい刑務所の更生プログラムの様子を映したものでした。犯罪を犯してしまったある4人にフォーカスし、話を聞いたりプログラムの様子を、顔だけはモザイクをかけて映していました。

prison-circle.com

人が育っていく過程の、ささいなことの積み重ねによって心が壊れる、そこから犯罪まで道がつながってしまう。それは決して関係ないことではなく、共通する部分のある人間だと思いました。知ってよかった、見れて良かった映画でした。

 

「はちどり」は経済成長の最中にある韓国をある中学生の視点から描いた映画。「余韻」が好きな私は、この映画のセリフとセリフの間にある沈黙や表情がとても好みでした。思春期の葛藤はせつなくて苦しいけれど、変わりゆく社会がもたらす母の苦悩も父や兄の苦悩もうまく描いていて素晴らしかった。

animoproduce.co.jp

 

「音楽」は、衝撃のアニメ作品。前から少しだけ原作の漫画家さんのことは知っていて、作画が手書きでめちゃくちゃ時間かかったらしいとかいろんな噂きいて見に行った。いやー、びっくりしたな。常識を超えてきます。心配になるくらい主人公がしゃべらない(笑)でも、なにかを心からやりたいと思う時の「衝動」、そして「音楽」とは上手さじゃなくてただ気持ちいいものでいいんだという初心を全力で表現していた。無駄と思えるシーンに時間を使う感じもたまらない(笑)背景の手書きがすごい。

on-gaku.info

映画とは関係ないですが、12月に見た鼓動の即興演奏で、「はまるリズムってメロディや歌詞がなくてもこんなに気持ちいいんだ」という発見があったんですが、この映画はそれに近いものを感じました。

 

インターステラー」はなんとなく誘われて友達の家で見たんですが、宇宙の神秘へのときめきとドキドキがすごくて、久しぶりにしばらくその世界から帰って来れない感じになりました。「そういうことか!」ってつながるのもすごく気持ちいいし、一気に17年くらい過ぎちゃう絶望とか、感情が忙しかったけど壮大な物語を堪能したい時はこれ最高ですね。

 

「ワンダー 君は太陽」は開始20分くらいから最後までほぼずっと泣いてました(笑)顔面麻痺をもって生まれた主人公をとりまく家族や友情の話なんですが、ただ「みんな優しくしようね」で終わる感じじゃなくて、わき役の子たちのドラマもちゃんと描いていて、複雑な気持ちをうまくストーリーに入れていて、すごくよかった。あたたかい涙を流したいとき、見るといいです。登場人物みんなが愛しくなります。

 

続いて、ベスト6~10です!

 

6.素晴らしき哉、人生(1946)

7.キングダム(2019)

8.アヒルと鴨のコインロッカー(2006)

9.パターソン(2016)

10.パラサイト(2019)

 

悩みましたが、こんな感じ。

 

「素晴らしき哉、人生」はクリスマスイブに見ました。ずっと良いよって言われてたけど、2年くらい先延ばしにしてたもの。白黒映画ですが、引き込まれる面白さ!前半の展開はテンポがよくて、世界を旅したかった主人公が地元の小さな町の父親の仕事を継ぐことになった背景が描かれる。廃墟での新婚パーティのシーンが好き!後半というかかなり最後の方でのファンタジーとも言えるハラハラさせてからの大事件は、タイトルのメッセージを伝えるための演出かな。小さな町で生きるということ、その良さも苦労もあたたかく宝物のように描いていて素晴らしかった。

 

「キングダム」は、実は漫画にハマったのでランクインさせました。笑 私がこんな戦ってばかりの漫画を好きになるとは思わなかったけれど、借りて読み始めたら、ちょうどコロナで時間があったのもあってハマってしまった。時には戦うことも必要よな、とか、本能型でいこうわたしも、とか思った。映画は全57巻くらいのうち1~4巻部分だけだけど、うまく再現できていて楽しい映画でした~

 

アヒルと鴨のコインロッカー」は、伊坂幸太郎好きなのに見てなかった1作。ボブディランの音楽が心地よく流れる、さすがの不思議魅力的な登場人物だらけの作品でした。「重力ピエロ」的な展開で、最後に伏線回収する感じ、少しざわりとさせる事件もある感じ、懐かしい感じがした。瑛太、若い!

 

「パターソン」は、期待度が高かったためか少し見てる間は退屈に感じてしまったけれど、なんでもない日常をこんな風に描いている映画はあんまりないし、それ自体が良いなと思えました。詩を描いている人というのもいいし、最後のノートを渡すシーンが大好き。主役の俳優さん(アダム・ドライバー)、とても良い味だしてる。

 

「パラサイト」、ぎりぎり迷って入れました。確かに私の日常に衝撃をさしこんだ映画だったには違いないから、、、刺激が強すぎてちょっとしばらく引きずりました(笑)でも、これだけぞわぞわどきどきさせるのもすごいし、俳優さんも女優さんも魅力的だし、面白かった。韓国映画を見慣れていなかったので新鮮でもありました。

 

番外編ードラマについて

今年は、ドラマもAmazon primeでたくさん見ました!

1時間で終わるし、明日が楽しみになるし、映画と同じくらい力入れてこだわってつくっているものもたくさんあるので、軽く作品に触れるにはいいなあ。

 

よかったのは、MIU404、アンナチュラル、オレンジデイズ深夜食堂、恋する母たち、かな。

野木亜紀子さん脚本は素晴らしいなと知るきっかけにもなりました。今まで見てなかったものでは、オレンジデイズもよかったー。名作。

 

最後軽くなってしまいましたが笑、作品づくりに携わるすべての人に感謝!来年も良い作品に出会えることが楽しみです。

 

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家の中で映画を見るときは飲み食べしながらできてうれしい