おかかとこんぶ

新潟にいる人。映画と本と家ごはんが好き。

ブリコラージュ感が嫌いじゃない

秋が深まってきました。こたつを出し、ストーブをつけはじめ…このだんだん寒くなっていくのに合わせてちょっとずつ身の回りを変えていく感じ、好きです。

 

うちは初めて迎える長岡での冬なので、かなり身構えております。

とはいえ、人数もいるので、なんだかんだであったかい。(気持ち的にもね)

 

さて、そんな今日は、駅前の本屋で小さく始めた「私の棚」についてちょっとお知らせしよう~というのに合わせて

最近考えたことをつらつらと書こうかなと。

 

 

 

仕事柄、興味柄(?)、農村を中心とした地域のいろんな取り組みを目の当たりにします。

それもちょこっと内側から見ます。こんなことが運営で大変で、とか、この人とのやりとりが大変で、とか。そういう話をたくさん聞きます。

 

 

いやもう、大変なことの方が多い。みんな本当にたくさん動いている。

楽しそうだけど、大変そう。やりたいんだけど、もどかしそう。ある程度諦めも必要そう。

 

はたから見たら、もっとスムーズに進める方法あるだろうなって思う。

もっと稼いだり、もっと広めたり、もっとスポットライトを浴びるようなやり方はいくらでもあるんだと思う。

 

でもなんでそんなやり方をしないか(できないか)っていうと、地域に「ある」ものスタートだからだ。

大きな会社や組織に比べると圧倒的に数の少ない「人的資源」「物的資源」の中でやるからだ。

地域での取り組みやプロジェクトが家だとすると、その家を作るための屋根や壁や木材にあたる人的資源・物的資源を、カタログの中からこれとこれ、って選んで発注しているわけではないからだ。

とりあえず今あるもので、作っていく。それが小さな地域で何かするときの特徴かもなあと思う。

 

そして、そのブリコラージュ感が嫌いじゃないなと、ふと思う。

ブリコラージュって言葉は内田樹さんの本で見たような気がするけれど、改めてWikipediaで見るとこんな風に書いてあった。

 

ーブリコラージュは、理論設計図に基づいて物を作る「エンジニアリング」とは対照的なもので、その場で手に入るものを寄せ集め、それらを部品として何が作れるか試行錯誤しながら、最終的に新しい物を作ることである。

 

そうそう、理論や設計図が先に来れないんだ。でもそれがいい。それでいい。

今あるもので作る面白さ。

きっとそれは、「それしかないから」「仕方ないから」という意味ではなくて、今あるものスタートなんだから、何ができるかわからない面白さがあるってこと。

 

長岡駅前というエリアは、私にとって「これがあったらいいな」というものが全部あるわけじゃなかった。

好きな仲間もいるし、好きな仕事もあるし、好きな店もあるし、ぜいたくなのかもしれないけれど、

2年前に休学したときに、初めての地方暮らしがツルハシブックスとコメタクがある内野という町で楽しすぎたからか、

それと比べて「これがない」と思ってしまうこともよくあった。

 

ここにずっと住むかなんて本当にわからない。町が好きかもわからない。

でも、もうしばらく続くここでの私の暮らしは、たぶんもう1,2歩踏み出すことでもっと面白くなるんだろうなとも思う。

 

そんな中で、長岡で半年過ごしていた私には、

なんだかおもしろそうな縁がやってきた。

 

駅前の老舗本屋「文進堂」の五十嵐さんとつなげてもらった。

依頼、たまに行っては雑談をしている。

「うちもそろそろ今後を考えないとね〜」とか

「長岡、ほんとは面白いんだよ」とか

「野菜とか売ってみればいいんじゃない」とかを

(ほとんど人が来ない)店内でふんふんと聞いている。

 

行くたびに話が変わってたりもするしポジティブな話ばかりじゃないけれど、

町の商店のリアルを垣間見れるのはとても面白い。

アンテナを張っているような若者が遠くから来るようなおしゃれな本屋じゃないし(失礼)、なんならしばらく私もこういう本屋で本は買っていない。ザ・町の本屋。

 

ここの場所は長岡の中心だから、 ブックカフェになったら面白いんじゃないかとか ツルハシブックスみたいなのできるんじゃないかとか、いろいろ考えたり期待されたりするわけですけれども、

 まあまあ、何をするのか、何にするのかをやる前に決めてしまうなんて、もったいない。(先日のブログにかきましたが)

五十嵐さんとこの本屋が積み上げて来たものにのっかっていろいろやってみよう。

さっきも言ったように、「今あるもの」スタートでやるからこその何が生まれるか分からない感を楽しもう。

 

そんなことを思っていたら話の流れで 「ひと棚やるからなんか売ってみるか」と言われて、 あ、それいいかも。と思ったので、

 

ひと棚借りて、古本を売ってみることにしました。

 

なんか飾りたい、と咄嗟に部屋で掴んだものが風車だったので、とりあえず目印は風車。笑

ここ2年くらいでたまったわセレクト古本をまずは12冊ほど置いています。

右はコミック、左は雑誌、うしろ振り返るとちょっと見るのが恥ずかしいアダルト系っていう中にこの棚があるのは…正直なんだかすごい場違い感なんですが笑、 この「新米です」って言っているみたいな感じはそれはそれで良い。

 

長岡駅に来た方、ぜひふらっと寄ってみてください。 「老舗感が気になるけれど入りづらい系」の店なので、入るきっかけになれば嬉しいです。

(コミュニケーションノートを置いておくので来た人は書いてもらえると私が喜びます)

 

 

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地域の取り組みの「ブリコラージュ感」が嫌いじゃなくて、

それで苦労することもたくさんあるんだろうけど、

それがなんかいいなと思って地域のそばで仕事や活動をしてきた私が始めるものは、

たぶんこんな感じでゆるく始まっていきます。

 

きっと私のブリコラージュって、あるものすべてを使うって意味じゃないな。

「今あるもの」と接しながら、「これかもな」っていう直感のはたらく人やものや機会と一緒に、タイミングを見て作っていく感じだな。

うんうん。

場合によってはすぐに終わってしまうかもしれないけど、

場合によってはもっと妄想していることも実現させていきたいです。(ハックツとかもね…)