おかかとこんぶ

新潟にいる人。映画と本と家ごはんが好き。

今目の前にあるもの」と非言語コミュニケーション

はやくも三月半ば。


大学の卒業と、社会人のスタートが刻々と迫っています。
まわりは卒業旅行や追いコンに勤しんでおりますが、相変わらずわたしは新潟と東京を行ったり来たりしながらイベントやら米屋やら本屋やらをやっています。
私にとってはこれが卒業旅行に置き換わるくらい楽しいのです。

そんな最近の、活動以外の楽しみのひとつが…あるドラマ。

火曜10時からTBSでやっている「カルテット」です。

5年ほど前にやった大好きなドラマ「それでも生きていく」と同じ脚本家で、
役者もセリフもたまらない。良い。

毎週染み入るセリフを楽しみにしているのですが、今回も良いセリフが。

過去の過ちを隠していたことをわびるマキさん(松たかこ)に、すずめちゃん(満島ひかり)が言うセリフ。
「私が好きなのは、今ここにいるマキさんだよ。過去に誰だったかなんてどうでもいい。すっごくどうでもいい。」

多少うろ覚え&一見ありそうなセリフではありますが…
最近私が思ってたことにぐぐぉっ!とはまったので、引用させていただきます。笑

すずめちゃんが知らない過去のマキさんじゃなくて今目の前にいるマキさんが好きだということ。
実は最近、ちょっとこのことと逆のことを実感しました。

前は近くにいたけれど今は遠くにいる人で、大切な人がいます。
でも私は、近くにいない「今」のその人じゃなく、近くにいた「過去」のその人のことばかり追っていました。
でもなんとなくその人の「今」が全然見えなくてもやもやしていたのです。
遠くに行ってからも、たまにやってくる一時的な「寂しい波」の度にLINEをしていたのですが、そんな自分にどこか違和感があった。

そのもやもやは、たぶん「過去のその人」に向かってLINEをしていたことからくるもやもやでした。
「過去」のその人を思い出して自分一人で元気を出したりするのはいいけれど、コミュニケーションを取ろうとしている相手は「今」のその人です。そりゃ違和感があるのも当たり前。

自分のことも思い返すと、人は本当に変わっていくなあと思っていて。
見た目とかじゃないし、価値観とか性格も大きく変わるわけじゃないんだけど、
なんとなく1ヶ月前の私と今の私は違ったりする。
だから、過去にも未来にも縛られず、「今」目の前にいる人を大切にすることが大事だなあ、と改めて思いました。
「今のその人」が見えない環境なら無理にコミュニケーションを取らない方がいいかもしれない。


カルテットとその私の気づきが結びついた瞬間でした。

で、あとひとつ。
じゃあ「今のその人」って何をもって今のその人なんだろうって話。

たぶんそれは、言語じゃ説明し得ないもので、
今のその人の表情や声やにじみでる空気感みたいなものから分かるものだ。
その人を「目の前にして」そこから感じるもの。それが「今のその人」だと思う。

矛盾してるようだけど、「直接会う」以外にも「今のその人」を感じ取れる手段はあると思っていて、それは手紙の文字や写真や「その人が今の自分を込めて発した何か」だと思う。ただそこにLINEはあんまり当てはまらない。

「言語じゃない何か」が伝えるものはとても大きい。
コミュニケーションの余地はそこに求めていきたい。
言葉もとても好きだけど、非言語が生む力が大きいことはわかった上で、丁寧に使いたいものだと思う。

どんなプロジェクトや企画を進めるのにも大切な視点だと思うので、忘れずにいたいこと。
私はたくさん変わったし、これからも変わり続けるけど、忘れずにいたいことは、ある。
そしてそれはこの1年間でたくさん増えた気がしている。

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