感性のまかせるままに(後編)
続きを書こうと思っていたら、しばらくあいてしまいました。
前回私が新潟に戻っていた時のおはなし「感性のまかせるままに」の続きです。
飯塚商店でご飯をたらふく食べ、お米の精米方法も教えてもらったおちびちゃんたちは、
ごはんをくれたお姉さんたちにおすすめしてもらったツルハシブックスという本屋さんに向かいました。
なんか絵本みたいになってしまった。でもこれ絵本にできそうだ。私目線に戻ります。笑
この子達、すぐ近所に住んでいるのですが、ツルハシブックスには来たことがなかったのです。
初めて入るちょっと不思議な本屋さんに、みんな夢中になりました。知らない大人もいっぱいいたからびっくりしてたけどね。
実はそのとき、たまたまもう2人、小さなお客さんがいました。
こちらも小学生の仲良し二人組。りこちゃんとにこちゃんです。
この子たちはもうツルハシブックスの常連で、私も前から友達。
今日は私が新潟に来てるタイミングで偶然ご来店してくれました。
それで、3階で絵をかいたりして過ごしていたところに、私が別の小学生を案内して連れてきたから、一気に小学生が増えて学校みたいになりました。
りこちゃんとにこちゃんは、絵をかいたりメッセージカードを作ったりかわいいものを工作することに興味があって、実は明日私雑貨作って売ろうかなと思っているんだよね、と私が言うと、
「りこたちアイデア考える!」
って紙にアイデアを書き出してくれたり絵をかいたりしてくれていたのです。かわいすぎる。
あとから米屋から来た3人組のほうは、壁に貼ってある「大人の部活動」に大注目。
「私たちもつくるー!」
あっという間にいろんな部ができました。ここでは、紙に書いて貼ればもう部活ができちゃうから。
しゅげいぶ、おしゃれぶ、おとなじょしぶ・・・
最後に作ってくれたのは、
「おこめけんきゅうぶ」。
あらまあ、うれしい。よっぽどさっきの精米見学が楽しかったのかな。
なんかもう、うれしすぎるなあ。
気が付くと、りこちゃんが切ったり貼ったりかわいいものを(私の画用紙とかを使いまくって笑)作っているところに、3人組のうちのひとりが、興味津々で近づいていました。
「かわいい・・・のんも作りたい!」
ちょっととまどっているりこちゃん。
「りこちゃんに教えてもらえばいいんじゃない」
と言うと、大人っぽいおすましりこちゃんは、シールと髪ゴムづくりをのんちゃんに見せ始めました。
教えるって、案外やったことがない経験なのかもね。
この、夢中で何かをやる感じ、言われたからやるんじゃなくてやってみたいからやる感じ、
自分の感性のまかせるままに何かをやるかんじ、その楽しさを覚えておいてほしいな。
それで、この瞬間がこれからもたまにあるような日常をおくってほしい。
そう願ってやまないのでした。
次の日のいのうえゆきの屋台は、半分りこちゃんにこちゃんの屋台にもなりました。
一緒に値段をつけたり、レイアウトを工夫してみたり、呼び込みしてみたり。
なんと来てもらいたいあまりに、道を歩く人にまで声をかけていました。
そんな積極的だったっけ?笑
すごく楽しそうで、私はあまり商品が作れなかったんだけど、それでもいいと思えました。
来年も、なんとなく今日のために生きてきたのかもしれない、と思える瞬間が日常にありますように。